「ダイエット=プランク!」はちょっと待った!インナーマッスルを鍛えたいなら、まずはコレ!
「最近ちょっと体重が増えてきた……」
「お腹を引き締めたい!」
「もっと運動しなきゃ!」
そう思ったとき、皆さんは何をしますか?
ウォーキング?
スクワット?
腹筋?
……そして、なぜか多くの人が一度はたどり着くのが、
「よし、プランクやろう!」
ではないでしょうか?
「体幹を鍛えるならプランク!」
「インナーマッスルを鍛えるならプランク!」
そんなイメージがすっかり定着していますよね。
もちろん、プランクは体幹を使うトレーニングのひとつです。
でも……
プランクさえやっていればOK!
というわけではありません。
特に、これからもっと運動量を増やしたい方や、普段の雲量量があまり多くない方なら、
「いきなりプランク!」よりも、先にやってほしいことがあります。
それが今回ご紹介する、
「ドローイン」です。
「ドローインって何?」
という方も大丈夫。
今回は、そもそもインナーマッスルとは何なのか、なぜプランクが万能ではないのか、そして「じゃあプランクはいつやればいいの?」まで、できるだけ分かりやすくご紹介します!
ぜひ最後までお付き合いください!
そもそも「インナーマッスル」って何?

まずはここから。
「インナーマッスル」という言葉は、運動やダイエットの話でよく耳にしますよね。
なんとなく、
「お腹の奥にある筋肉」
というイメージを持っている方も多いと思います。
実際、体幹には身体の表面に近い筋肉だけでなく、より深い位置にある筋肉も存在します。
その代表的なもののひとつが、
腹横筋(ふくおうきん)
です。
腹横筋は、お腹の奥でコルセットのように横方向に走っている筋肉。
お腹をグッとへこませるような動作にも関わっています。
そして、この筋肉を意識的に使う方法として知られているのが、
ドローイン(腹部引き込み運動)です。
研究では、ドローインを行うことで腹横筋の厚みが増加することや、腹横筋などの深部の腹筋が活動することが確認されています。
つまり、
「お腹の奥にある筋肉を、自分で意識して使う練習」
として、ドローインは取り入れやすい運動なのです。
「インナーマッスル=プランク」ではありません!
ここが今回いちばんお伝えしたいところ。
「インナーマッスルを鍛えたい!」
↓
「じゃあプランク!」
となりがちですが……
ちょっと待った!
実は、プランクをしているときに、どの筋肉がどれくらい働いているのかを調べた研究があります。
筋肉がどれくらい活動しているかを調べる方法のひとつが、
筋電図(EMG)
という測定方法です。
簡単にいうと、筋肉が活動するときに生じる電気的な変化を測定して、
「この運動では、どの筋肉がどれくらい働いているの?」
ということを調べる方法です。
そして、プランクについての研究では、腹筋群の活動について興味深い結果が報告されています。
谷本道哉氏の論考では、下代昇平氏・谷本氏による研究をもとに、フロントプランク時の筋活動について、
腹直筋:約28%MVC
腹横筋:約17%MVC
などの値が紹介されています。
ここでいう「%MVC」は、簡単にいうと「その筋肉が最大限に力を発揮したときと比べて、どの程度活動していたか」を示す数字です。
つまり……
「プランク=インナーマッスルを集中的に鍛える運動」
と単純に考えるのは、少し違うのです。
えっ!プランクってインナーマッスルを使わないの?
ここは誤解しないでください…
使います!!
プランクをすると、腹横筋を含めた体幹の筋肉は活動します。
なので、
「プランクはインナーマッスルを使わない」
ということではありません。
むしろ問題なのは、
「プランクをすれば、自動的にインナーマッスルをしっかり鍛えられる」
と思ってしまうこと。
実際、体幹トレーニングに関する研究をまとめた2020年のシステマティックレビューでも、さまざまな体幹トレーニングについて筋活動が調べられていますが、特に腹横筋については研究数が少なく、どの運動がどの筋肉に最適なのかを単純に決められるほど研究が揃っているわけではない、とされています。
つまり、
「体幹を鍛えるなら、この運動だけ!」
と決めつけるのではなく、
何を目的にするかで運動を選ぶことが大切
ということです!
じゃあ、なぜ「まずドローイン」なの?

ここで登場するのがドローインです。
ドローインは、仰向けなどの比較的ラクな姿勢で、
お腹を薄くするように、ゆっくり引き込む
運動。
「お腹をへこませるだけ?」
と思うかもしれませんが、これが意外と難しいんです。
なぜなら、
普段あまり意識していないお腹の奥の筋肉を、自分の意思で動かす必要があるから。
研究では、ドローインを行ったとき、腹横筋や内腹斜筋の筋厚が、安静時や別の腹部収縮方法よりも大きくなったことが報告されています。
また、別の研究では、ドローインを行っている間、腹横筋がほかの腹筋よりも早く活動を始めることが確認されています。
つまりドローインは、
「とにかくキツい運動をする」
というより、
「お腹の奥をどう使うのか、身体に覚えてもらう」
というスタート地点として考えると分かりやすいでしょう。
ドローインは「お腹をへこませるだけ」ではありません
ここで、実際のやり方もご紹介します。
STEP1 まずは仰向けに
床やマットに仰向けになり、膝を立てます。
肩や首に力を入れず、できるだけリラックス。
まずは普通に呼吸しましょう。
STEP2 お腹に手を置いてみる
おへその少し下あたりに手を置いてみましょう。
「ここが動くんだな」と、自分のお腹を感じながら行うのがおすすめです。
STEP3 息を吐きながら、お腹をゆっくり引き込む
「お腹をカチカチに固める」のではなく、
おへそを背中に近づけるようなイメージで、ゆっくりお腹を薄くしていきます。
このとき、
「息を止める」
「肩をすくめる」
「お尻に力を入れる」
必要はありません。
普通に呼吸しながら、お腹の奥を意識してみましょう。
STEP4 その状態で呼吸を続ける
これが意外とポイント。
お腹をへこませたまま、
「普通に呼吸できるかな?」
と確認してみましょう。
最初から完璧にできなくても大丈夫。
「なんとなくお腹の奥が働いている気がする」
くらいから始めてOKです。
「お腹をへこませる」と「お腹を固める」は違います
ここも知っておいてほしいポイント。
運動中、
「お腹に力を入れて!」
と言われると、
「グッ!!」
とお腹を固めたくなりますよね。
もちろん、身体を安定させるためには、お腹を固めるような力の入れ方も大切です。
ただ、
「お腹をへこませる=ドローイン」
と
「お腹全体をギュッと固める=ブレーシング」
は、同じものではありません。
研究でも、ドローインとブレーシングでは、活動しやすい筋肉のパターンが異なることが示されています。ドローインでは腹横筋や内腹斜筋など深部の筋肉の活動が大きくなりやすい一方、ブレーシングでは表層の腹筋も含めて、より広い範囲の筋肉が同時に働きます。
だからこそ、
「どちらが正解?」ではなく、「何をしたいの?」
が大切なんです。
では、プランクはいつやるの?

ここまで読むと、
「じゃあプランクはやらなくていいの?」
と思った方もいるかもしれません。
いえいえ。
プランクにもちゃんと出番があります!
プランクは、身体を一定の姿勢に保ちながら、腹部を含む体幹の筋肉を使う運動。
つまり、
「体幹を安定させた状態を保つ力を身につけたい」
という目的なら、プランクはひとつの選択肢になります。
ただし、
「インナーマッスルを意識して使う練習をしたい」
という段階なら、いきなりプランクを何十秒も耐えるより、まずはドローインなどでお腹の使い方を確認するところから始める方法があります。
イメージとしては……
🌱 はじめは…
ドローイン
↓
「お腹の奥を使う感覚」を覚える
↓
🌿 少し慣れてきたら
簡単な体幹運動
↓
身体を動かしながら、お腹を安定させる
↓
🌳 さらにステップアップ
プランクなどの体幹トレーニング
↓
体幹を安定させる力を高めていく
という感じ。
もちろん、これは「全員がこの順番でなければいけない」というものではありません。
大切なのは、
自分の体力・目的・運動経験に合わせて、無理なく選ぶこと。
です。
「30秒耐えた!」だけで満足しなくてOK
プランクって、
「30秒できた!」
「1分できた!」
と、時間で成長を感じやすい運動ですよね。
これは良いところでもあります。
でも……
長く耐えられる=必ずしも自分が求めている筋肉を上手に使えている
とは限りません。
身体が反ってしまっていたり、
肩に力が入りすぎていたり、
腰が痛くなっていたり、
呼吸を止めていたり……
それでも「30秒耐える!」と頑張ってしまうと、目的から少し離れてしまうことがあります。
特に運動初心者の方なら、
「何秒できるか」より「正しく、自分の身体をコントロールできているか」
を大切にしてみましょう。
「腰が痛い」「肩が痛い」なら、我慢しなくていい!
そして、これもぜひ覚えておいてください。
プランクをやってみたものの、
「腰が痛い……」
「肩がパンパン……」
「腕がつらくてお腹どころじゃない……」
という方。
それなら、
「自分は運動が苦手なんだ」
と思わなくて大丈夫です。
もしかすると、単純に今の自分にはその運動の難易度が合っていないのかもしれません。
運動は、
「キツければキツいほど正解」
ではありません。
最初は仰向けでドローイン。
それができたら、座った状態で。
さらに慣れてきたら、立った状態で。
そこから身体を動かす運動へ。
そんなふうに、
少しずつ難易度を上げていく
ことも立派なトレーニングです。
そもそも「ダイエット=プランク」でもありません
そして、もうひとつ。
今回の最初の話に戻りましょう。
「ダイエットしなきゃ!」
↓
「プランクしよう!」
となる方も多いと思いますが、
ダイエットのために、絶対にプランクをしなければいけないわけではありません。
プランクは体幹を使う運動のひとつ。
ウォーキングならウォーキングの良さがあります。
スクワットならスクワットの良さがあります。
有酸素運動には有酸素運動の役割があります。
筋力トレーニングには筋力トレーニングの役割があります。
そして、ドローインにはドローインの役割があります。
「一番キツい運動を選ぶ」のではなく、「今の自分に必要な運動を選ぶ」。
これが、運動を長く続けるためにも大切です。
「じゃあ結局、何をすればいいの?」をまとめると……

ここまでを、ものすごくシンプルにまとめてみましょう。
🟢 お腹の奥を意識して使う練習をしたい
→ ドローイン
まずはここから。
「お腹を引き込む」「呼吸をしながらお腹をコントロールする」という感覚を覚えていきましょう。
🟡 体幹を安定させながら身体を動かしたい
→ さまざまな体幹トレーニング
ドローインで覚えた感覚を、少しずつ動きの中でも使えるようにしていきます。
🔵 体幹を安定させる力・持久力を高めたい
→ プランクなど
ある程度身体の使い方に慣れてきたら、プランクも選択肢のひとつ。
「ただ耐える」のではなく、姿勢や呼吸も意識して行いましょう。
プランクが悪いんじゃない。「プランクだけ」がもったいない!
今回いちばん覚えておいてほしいのは、これです。
プランクは悪い運動ではありません。
ただ、
「インナーマッスルを鍛えたいなら、とりあえずプランク!」
と決めてしまう必要もありません。
筋電図を使った研究では、プランク中にも腹横筋を含む体幹の筋肉が活動することが確認されています。一方で、研究全体を見ると、特定の体幹エクササイズだけを「これが万能!」と決められるほど単純ではありません。
そして、ドローインでは腹横筋など深部の筋肉の活動を促すことが確認されており、特に「まず身体の使い方を覚える」という目的では取り入れやすい運動です。
だからこそ、
「とりあえずプランク!」から始めるのではなく、
「私は何のために、この運動をするんだろう?」
と考えてみてください。
運動は「順番」と「目的」を知ると、もっと楽しくなる!
運動を始めたばかりの頃は、
「何をやればいいの?」
「何秒やればいいの?」
「何回やればいいの?」
と、分からないことがたくさんあります。
SNSを見ると、
「毎日プランク!」
「腹筋100回!」
「これだけでお腹が変わる!」
なんて情報もたくさん出てきます。
でも、身体は人それぞれ。
年齢も、運動経験も、筋力も、柔軟性も、身体のクセも違います。
だからこそ、
「みんながやっているから、自分も同じものをやる」
ではなく、
「今の自分には何が必要なのか?」
から考えてみましょう。
最初は、寝たままでもいい。
数秒でもいい。
お腹を少し引き込んで、
「おっ、ここが動くんだ!」
と、自分の身体を知るところから始めてみる。
それも立派なトレーニングです。
そして、分からないことはコーチに聞いてください!
「ドローインって、これで合ってる?」
「お腹をへこませると息がしづらい……」
「プランクをすると腰が痛くなる」
「自分にはどんな体幹トレーニングが合っている?」
そんなときは、ぜひコーチに聞いてみてください。
運動は、
「正しい運動を知っていること」だけでなく、
「自分の身体に合った方法を選べること」
も大切です。
プランクができることがゴールではありません。
ドローインが完璧にできることがゴールでもありません。
自分の身体を上手に使いながら、無理なく運動を続けられること。
それこそが、運動習慣をつくる大切な一歩です。
「ダイエットしなきゃ!」
と思った今日こそ、
いきなりプランク!ではなく、まずはゆっくり息を吐いて、お腹を引き込むところから。
自分の身体の「奥」に目を向けるところから、始めてみませんか?
※運動中に痛みが出る場合は無理に続けず、必要に応じて医療機関などへご相談ください。