【管理栄養士監修】炊飯器におまかせで、栄養満点一食完成!〈梅ご飯と鶏もも肉の和風カオマンガイ〉
「体にいい食事を作りたいけれど、やらなければいけない事がたくさんある忙しい中で、何品も揃えるなんて難しい!」とお疲れではありませんか?毎日の自炊、もっと肩の力を抜いて大丈夫です!
今回は、炊飯器にお任せで、基本の栄養バランスを一皿に詰め込んだ、和風ワンプレートレシピをお届けします。
💡まめ知識:そもそも「カオマンガイ」とは?

カオマンガイとは、タイの代表的な国民食(屋台料理)です。「カオ」はご飯、「マン」は油(鶏の脂)、「ガイ」は鶏肉を意味します。本来は鶏の出汁でご飯を炊き、その上にしっとり茹でた鶏肉をのせ、ピリ辛のタレをかけて食べる料理です。
今回のレシピは、このカオマンガイの良さを活かしつつ、日本の伝統的な健康食材である「梅干し」を一緒に炊き込み、さっぱりとした和風仕立てにアレンジしています。
〈梅ご飯と鶏もも肉の和風カオマンガイ〉

材料(3人分)(ご飯は5人分程)
- 米 …2合
- 酒 …大さじ1杯
- 梅干 …大3個
- 鶏もも肉(皮無し) …1枚
- *酒 …大さじ1杯
- *砂糖 …小さじ1/2杯
- *塩 …少々
- 長ネギ(青いところ) …適量
- ▲長ネギ(白いところ) …1/3本
- ▲生姜 …1かけ
- ▲減塩醤油 …大さじ1杯
- ▲酢 …大さじ1杯
- ▲砂糖 …小さじ1/2杯
- 卵 …2個
作り方
- 袋に鶏もも肉と*の下味入れ、揉み込んで30分程寝かせておく。
- といだ米2合に、酒を入れ、2合分よりやや少な目の水を入れて浸水する。
- 卵は軽く殻を洗って、アルミホイルで包む。
- ②の米に、梅干、長ネギの青いところ、①の鶏肉、③の卵をのせて、炊き込みモードで炊飯する。
- 炊きあがったら、鶏肉、卵を取り分け、長ネギの青いところ、梅干の種を除いて、混ぜる。
- 卵はすぐに流水で冷まし、殻を向いて4等分に切る。
- ▲のみじん切りにした長ネギ、生姜、調味料を混ぜ合わせてタレを作る。
- 器に梅ご飯、カットした鶏肉をのせ、鶏肉に⑦のタレをかける。
- お好みで野菜サラダ(分量外)と⑥のゆで卵を添えて完成。
栄養価(1人前)
- エネルギー :348kcal
- タンパク質 :20.6g
- 脂質 :6.6g
- 糖質 :51.3g
- 食物繊維 :0.7g
- 食塩相当量 :1.2g
〈タンパク質・脂質・糖質のエネルギー比率〉
- たんぱく質(P) :23.7%
- 脂質(F) :17.1%
- 糖質(C) :57.0%
ワンポイントMEMO
●調理前に、コラム下部に記載のある「※ 炊飯器調理の注意点」をお読みくださいね。
●「野菜」メニューをプラスすれば、簡単に理想の栄養バランスが完成します✨
レシピの栄養ポイント
今回のレシピには、疲労回復、健康的に栄養バランスを整えるコツが詰まっています♪
後半には、「そもそも“バランスのいい食事”とは?」「食事を整えるコツ」についてもお伝えしますので、是非最後まで読んでみてくださいね♪
(1) 高タンパク・低脂質
鶏もも肉はあらかじめ「皮を除き」、調理油を使用しないシンプルな炊き込み調理にすることで、良質なタンパク質を1皿で成人の推奨量に近い約20gをしっかり確保できます。
(2)梅・酢の「クエン酸」による疲労回復・消化促進
梅干しやお酢に豊富に含まれる有機酸(クエン酸)は、体内でエネルギーを生み出す「クエン酸回路(TCAサイクル)」を活性化させ、肉体疲労の蓄積を防ぐサポートをします。また、酸味が唾液や胃液の分泌を促すため、食欲が出ない時やシニア層の低下しがちな消化吸収機能も優しく助けてくれます。
クエン酸と疲労回復の参照文献:Yamada, M., et al. (2011). Effect of citric acid supplementation on fatigue and energy metabolism. *Journal of Clinical Biochemistry and Nutrition*, 49(3), 200–205. (クエン酸がエネルギー代謝を活性化し、一過性の疲労感を軽減することを示した臨床研究)
(3)炊飯器による「ほったらかし&柔らか」調理
炊飯器調理は、スイッチを押した後は火加減を見る必要がない!という時短メリットが、「あれこれ作るのは大変…」という忙しい方の大きな味方です。
そして、簡単なだけではなく、密閉された空間でじっくり均一に熱が通るため、普通に茹でたり焼いたりするとパサついたり固くなったりしがちな鶏肉が、「ホロホロと柔らかく」仕上がります。
(※今回のレシピは撮影用に包丁でカットしていますが、包丁も必要ないくらいです!)
|栄養バランスのいい食事とは?|
「健康のためにバランスよく」とよく聞く言葉だと思いますが、では、「バランスとれているってどんな食事」なの?
「バランスのいい食事」と言われると、小鉢をたくさん並べた「一汁三菜」の「定食の形」を想像しがちです。勿論、定食の形は自然と栄養バランスを整える理想的な一食の組み合わせになりますが、実は、何品もおかずを揃える必要はありません。栄養学において、おさえるべきポイントはとてもシンプルです。
(1)まずは基本の3要素!「①主食、②主菜、③副菜」を揃える

厚生労働省と農林水産省が策定した「食事バランスガイド」の本質は、品数ではなく「主食」「主菜」「副菜」の“3つの要素が一食の食事の中に揃っているか”という点です。
これらは「炭水化物(糖質)、タンパク質、ビタミン・ミネラル・食物繊維」という基本的な栄養バランスを自然と整えることに繋がります。
① 主食 …炭水化物、糖質(ご飯、麺、パン、芋類)
車でいう「ガソリン」の役割を果たし、頭や体を動かす主要なエネルギー源になります。
ここが不足すると、全ての機能がうまく回らなくなります。
② 主菜 …タンパク質(魚、魚介類、肉、卵、大豆製品(豆腐、生揚げ、揚げ、納豆、豆乳)乳製品(ヨーグルト、牛乳など))
体を作る「材料(筋肉、皮膚、髪、免疫物質など)」になります。
「タンパク質=筋肉」とイメージされる方も多いかもしれませんが、タンパク質は筋肉や皮膚を作るだけではなく、身体の中の機能にも大きく関わっています。運動習慣の有無に関わらず全ての人に必須の重要な栄養素です。運動習慣のある方、筋肉の衰えを予防したい方は勿論、不足しないように意識しましょう。
③ 副菜(野菜) …ビタミン、ミネラル、食物繊維(緑黄色野菜、淡色野菜、きのこ、海藻類)
体の「潤滑油(コンディショニング)」「調整」の役割を担います。主食や主菜が体内で正しくエネルギーや筋肉に変わるのを助け、免疫力や血管などの健康をキープします。
これらが不足すると、やはり身体の機能はうまく回らなくなってしまいます。
(2)PFCバランス(エネルギー産生栄養素)を整えるコツ

3つの要素(主食・主菜・副菜)が分かったら、次はそれらの「バランス(比率)」です。
私たちの身体のエネルギー源になる(カロリーを持つ)3大栄養素を、それぞれの頭文字をとって「PFC(プロテイン・ファット・カーボ)」と呼びます。
厚生労働省のガイドライン『日本人の食事摂取基準(2025年版)』では、以下の比率を目安にすることが推奨されています。
- P(タンパク質) :13〜20%
- F(脂質) :20〜30%
- C(炭水化物) :50〜65%
市販のお弁当や外食では内容にもよりますが、「親子丼と蕎麦のセット」「おかわり無料」など、「炭水化物(お米や麺)」が多すぎたり、揚げ物調理が多かったり、美味しく作るために家庭以上に調理に油を使用しており「脂質」過剰に偏って、「タンパク質(特に魚や大豆製品)」が不足したりしがちです。
このバランスを崩さないための簡単なコツは
- 外食、お弁当を購入する際には、裏面の「栄養表示成分」を確認する
- 自炊する際には、調理方法はなるべく油を控えて、その分を副菜の野菜でカサ増しする
ことです。
指導にあたっていると、よく「何を食べたらいいと聞いた」「この栄養成分が」「産地が」など、枝葉の部分に目がいく質問を多くいただきますが、栄養バランスを整えるのも枝葉ではなく“根幹”から整えることが大切です。
それがこの
- 主食・主菜・副菜(炭水化物、タンパク質、野菜)を揃える
- 炭水化物(糖質)、タンパク質、脂質(PFC)の比率を守る
- 欠食せず3食食べること
です。
|調理のハードルを下げる料理のコツ|
栄養バランスを考慮した献立を前もって考えて、丁寧に育てられたよい食材を、一から丁寧に自炊して、毎日3食定食の形のように品数を並べて…。勿論それができたら一番の理想ではありますが、「そんなの無理だ」と諦めてしまったり、食事を考えたり用意することがストレスになってしまっては本末転倒です。
大切なのは栄養バランスの「根幹」から先に整えること。理想を追うのはもっと先で大丈夫です。
前項にあげたように「基本の栄養バランス」と整えた上で、それを日常的に3食実現する、健康的な食事を長く続ける最大のコツは、「手抜き」ではなく「手間を抜く(合理化)」をすることです。
(1)放置できる調理器具を使う(電子レンジ、オーブン、蒸し器(蒸籠)、ホットクック、炊飯器 等)

中に入れてスイッチをオンすれば、基本的に火加減やかき混ぜなどの工程のためにつきっきりになる必要がありません。
- 材料と調味料を入れて、スイッチオン(煮物系)
- 材料を加熱して、塩コショウやポン酢をかけて食べる(蒸し、焼き料理系)
調理の工程をぐんと減らしてしまいましょう!
(2)道具を減らす

- まな板包丁を使わず、キッチンバサミでカットする
- ワンパン(フライパン1つ)で完結する
調理の手間だけでなく、洗い物も減らすことができますね。
(3)一皿に盛り付ける

定食の形のように、何品も揃える必要は必ずしもありません。
- ワンプレート
- 丼もの
- ご飯(麺等)と、「主菜と野菜が一緒になったメニュー」
一食に「炭水化物、タンパク質、野菜」の3つが適量揃っていればパーフェクトです!
(4) 下処理済の食材を活用する

- カット野菜(千切りキャベツ 等)
- 冷凍野菜(ブロッコリー、ほうれん草、オクラ 等)
- 乾物(切干大根、乾燥わかめ、キクラゲ、高野豆腐、フリーズドライ野菜 等)
特に不足しがちな野菜を手軽に摂ることができます。
(5)調理不要のお助けタンパク源を活用する

- 缶詰(鯖の水煮缶、ノンオイルツナ缶、アサリ缶、大豆水煮缶、焼鳥缶 等)
- 豆腐
- 納豆
- ちくわ、はんぺん、魚肉ソーセージ
- ゆで玉子、玉子豆腐
野菜と組み合わせると、必要な栄養を揃えた立派なおかず一品が完成です!
※ 炊飯器調理の注意点

炊飯器は非常に便利な調理器具ですが、本来は「お米を炊くための家電」です。事故や故障を防ぎ、安全に調理するために、以下のポイントを必ず守ってください。
(1) 取扱い説明書を確認する
特に「圧力IH機」タイプの炊飯器は、お米以外の食材や調味料を入れると、蒸気穴(調圧弁)に食材が詰まり、内部の圧力が抜けなくなって中身が噴き出したり、蓋が開かなくなったりする恐れがあります。取扱説明書で「お米以外の調理が可能か」を必ず確認してください。
(2) とろみのある調味料・膨らむ食材はNG
カレールー、シチューの素、多量の片栗粉、重曹などは、加熱によって泡立ち、蒸気穴を塞ぐ原因になります。とろみをつけたい場合は必ず炊き上がった後に混ぜるようにしましょう。
(3) 具材の量は「規定のライン」を超えない
具材をいっぱいに入れすぎると、熱が均一に通らずお米に芯が残ったり、吹きこぼれに繋がる原因になります。
製品安全情報(独立行政法人 製品評価技術基盤機構: NITE):炊飯器の誤った使用方法による事故防止への注意喚起
まとめ
「料理の手間を減らすこと」は、決して悪いことではなく、非常に合理的で健康的な選択肢です。
大切なのは「優先順位」。ご自身の生活スタイルの中で、いかにして栄養バランスの最低ラインを整えた食事を、ストレスなく続けられるか。食事の時間を「美味しい」とリラックスして楽しめるか。
笑顔溢れる食卓を応援しています。楽に、美味しく、元気に毎日を過ごしましょう!
レシピ集
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スマートチェーン所属管理栄養士の加藤です。
特定保健指導、リハビリ特化型デイサービススマートライフreha、オンラインお食事サポートminaosの栄養管理を担当をしています。
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