「食べると眠くなるから…」で炭水化物を抜いていませんか? 眠気を防ぐ“食べ方”のコツ
「お昼ごはんを食べると眠くなるから、ご飯は食べないようにしています」
「午後に眠くなるのが嫌で、昼はおかずだけにしています」
「仕事中に眠くなりたくないから、炭水化物は控えています」
そんな声を聞くことがあります。
たしかに、昼食後にやってくる強い眠気はつらいもの。仕事や家事に集中できなかったり、午後の運動がおっくうになったり……。だから「眠くなるくらいなら、炭水化物を食べなければいい!」と考える方もいるかもしれません。
でも…ちょっと待ってください!
食後に眠くなるからといって、炭水化物を抜くことが本当に正解なのでしょうか?
実は、炭水化物は私たちの身体にとって大切なエネルギー源。特に運動をする方や、日中に活動量が多い方にとっては、上手に取り入れたい栄養素のひとつです。
今回は、「食後の眠気」と「炭水化物」の関係を考えながら、眠くなりにくい食事のポイントをご紹介します!ぜひ、最後までご覧ください。
そもそも、なぜ食後は眠くなるの?
食事をすると眠くなる。
これは、多くの方が経験したことがあるのではないでしょうか。
その原因のひとつとしてよく知られているのが、食後の血糖値の変化です。
食事をすると、食べ物に含まれる糖質などが消化・吸収され、血液中のブドウ糖が増えることで血糖値が上昇します。すると、すい臓から「インスリン」というホルモンが分泌され、ブドウ糖を身体の細胞に取り込ませることで、血糖値を調整します。
特に糖質は血糖値に影響を与える栄養素なので、糖質を多く含む食品を一度にたくさん食べると、食後の血糖値が大きく変動することがあります。
こうした血糖値の変化が、食後の眠気に関係している可能性があります。
ただし、ここで注意したいのが、
「食後に眠くなる=炭水化物を食べたから」
と単純に考えることはできない、ということ。
食後の眠気には、食事の内容や量、食べる時間帯、もともとの睡眠不足など、さまざまな要因が関係しています。
つまり、眠気対策として炭水化物を完全に抜くことだけが正解ではありません。
むしろ大切なのは、「なにを食べるか」だけでなく、「どのくらい」を「どのように食べるか」を考えることなのです。
炭水化物は「味方」でしかない!

「炭水化物」と聞くと、
「太りそう」
「血糖値が上がりそう」
「ダイエットの敵」
というイメージを持っている方もいるかもしれません。
しかし、炭水化物は、たんぱく質や脂質と並ぶ「エネルギー産生栄養素」のひとつです。
炭水化物には、糖質と食物繊維が含まれています。
糖質は消化・吸収されることでブドウ糖となり、身体を動かすためのエネルギー源として利用されます。
特に脳や筋肉など、日常生活や運動に欠かせない場所でもブドウ糖は重要なエネルギー源です。
そのため、炭水化物を必要以上に避けると、エネルギー不足につながり、疲労感や集中力の低下を感じることがあります。
もちろん、炭水化物を食べれば食べるほど良いというわけではありません。
摂取量が多すぎたり、消費するエネルギーに対して食べる量が多かったりすれば、体重増加につながる可能性もあります。
大切なのは、
「炭水化物を抜く」ではなく、「自分に必要な量を、バランスよく食べる」
という考え方です。
厚生労働省の情報でも、食事は主食・主菜・副菜を組み合わせることで、栄養バランスを整えやすくなるとされています。
「ご飯を抜いておかずだけ」という食べ方を毎日の習慣にするよりも、主食・主菜・副菜を基本に、量や内容を調整していくほうが、健康的な食生活を続けやすいでしょう。
「1食抜くだけなら大丈夫」は本当?
では、朝食や昼食で炭水化物を抜くと、すぐに身体に悪影響が出るのでしょうか?
もちろん、1回の食事で炭水化物を抜いたからといって、それだけで健康を害するわけではありません。
食事の内容は1食だけで判断するのではなく、1日、さらに長い目で見てバランスを考えることが大切です。
ただし、
「眠くなるから毎日昼食の炭水化物を抜く」
「太るのが怖いから主食をほとんど食べない」
という習慣が長く続く場合は、少し注意が必要です。
炭水化物を極端に減らすことで、必要なエネルギーが不足し、疲れやすくなったり、集中力が低下したりする可能性があります。
また、昼食で主食を抜いた反動で、夕方以降に強い空腹を感じてしまうことも。
「昼はご飯を抜いたから、夜はお腹が空いてたくさん食べてしまった」
「夕方にお腹が空いて、お菓子をたくさん食べてしまった」
これでは、結果的に1日の摂取量が増えてしまうこともあります。
ダイエットや健康管理で大切なのは、一時的に何かを我慢することではなく、無理なく続けられる食習慣をつくることです。
だからこそ、眠気を防ぐために炭水化物を完全に抜くのではなく、「眠くなりにくい食べ方」を身につけることがおすすめです。
眠くなりにくい食べ方①「主食・主菜・副菜」をそろえる

まず意識したいのが、食事全体のバランスです。
例えば、
・主食:ご飯、パン、麺など
・主菜:肉、魚、卵、大豆製品など
・副菜:野菜、きのこ、海藻など
この3つを組み合わせることを意識してみましょう。
「おにぎりだけ」「パンだけ」「麺だけ」という食事は手軽ですが、主食に偏りやすくなります。
例えば、お昼におにぎりを食べるなら、
おにぎり+サラダ+ゆで卵
おにぎり+具だくさんのスープ+魚や鶏肉のおかず
など、主菜や副菜をプラスするだけでも食事のバランスが整いやすくなります。
また、食物繊維を含む野菜や豆類、きのこ、海藻などを取り入れることもおすすめです。
食物繊維は、血糖値の急激な上昇を抑える働きが期待されています。
「ご飯を抜く」のではなく、ご飯と一緒に食べるものを工夫する。
これだけでも、食事の選択肢が広がります!
眠くなりにくい食べ方②「いきなり主食だけ」を避ける
食事をするときは、食べる順番を少し意識してみるのもひとつの方法です。
例えば、
野菜や副菜 → 主菜 → 主食
というように、食物繊維やたんぱく質を含むおかずから食べ始め、主食を後半にする方法があります。
食べる順番と食後の血糖値の変化については研究も行われており、野菜やたんぱく質を含む食品を先に食べ、炭水化物を後に食べることで、食後の血糖値やインスリンの上昇が抑えられる傾向が報告されています。
ただし、「絶対にこの順番で食べなければいけない」というものではありません。
大切なのは、主食だけを単独で大量に食べるのではなく、野菜やたんぱく質を含む食品と組み合わせること。
例えば、忙しい日のお昼に「菓子パンだけ」「大盛りの麺だけ」という食事になっているなら、そこにサラダや卵、肉、魚などをプラスするところから始めてみましょう。
眠くなりにくい食べ方③「白いもの」だけに偏らない
同じ炭水化物でも、食品によって食後の血糖値の上がり方は異なります。
例えば、白米だけでなく、
・玄米
・雑穀ご飯
・大麦入りご飯
・全粒粉パン
・そば
など、食物繊維を含む食品を選ぶ方法もあります。
もちろん、「白米を食べてはいけない」ということではありません。
白米も大切なエネルギー源です。
毎回すべてを置き換える必要はなく、
「今日は白米、次は雑穀ご飯にしてみよう」
「パンを選ぶなら、たまには全粒粉パンにしてみよう」
というように、できる範囲で選択肢を増やしてみるとよいでしょう。
眠くなりにくい食べ方④「食べすぎない」ことも大切
「炭水化物を食べると眠くなる」と感じる方は、もしかすると炭水化物そのものよりも、昼食の食べる量が多いことが原因かもしれません。
お腹いっぱいになるまで食べると、食後に眠気やだるさを感じることがあります。
特に、
「お昼だからしっかり食べなきゃ!」
と無理にたくさん食べている方は、一度自分に合った量を見直してみてもよいでしょう。
ポイントは、「お腹いっぱい」ではなく「満足できる量」を意識すること。
食後に「動くのもつらい……」と感じるほど食べるのではなく、午後の活動に必要なエネルギーを確保しながら、食べすぎない量を探してみましょう。
眠くなりにくい食べ方⑤「食後に少し動く」
食後の眠気対策として、もうひとつおすすめしたいのが軽い運動です。
食後にずっと座りっぱなしにするのではなく、
「少し歩く」
「立って片付けをする」
「階段を使う」
など、無理のない範囲で身体を動かしてみましょう。
食後の軽い身体活動は、食後血糖値の上昇を抑える方法のひとつとして研究されています。
もちろん、食後すぐに激しい運動をする必要はありません。
「ランチの後に5~10分歩く」
「職場の中を少し歩いてみる」
くらいから始めるのもよいでしょう。
特にデスクワークで長時間座っている方は、食後に少し身体を動かす習慣を取り入れるだけでも、気分転換になります。
そして、普段から運動習慣をつくることも、健康的な身体づくりには欠かせません。
眠気対策におすすめ!お昼ごはんの組み合わせ
ここまでのポイントをまとめると、例えばこんな食事がおすすめです。
例①
雑穀ご飯+焼き魚+野菜のおひたし+みそ汁
主食・主菜・副菜がそろった、バランスのよい組み合わせです。
例②
おにぎり+サラダチキン+野菜スープ
忙しい日でも比較的取り入れやすい組み合わせ。
例③
そば+卵+野菜のおかず
麺類を食べるときも、主食だけで終わらせず、たんぱく質や野菜をプラスしてみましょう。
もちろん、毎日完璧な食事をする必要はありません。
外食をする日もあれば、コンビニで済ませる日もあります。
大切なのは、「炭水化物を食べない」という一択にするのではなく、その日の体調や活動量に合わせて食べ方を調整することです。
それでも食後に眠いときは?

ここまで読んで、
「食べ方を変えてもやっぱり眠い!」
という方もいるかもしれません。
実は、食後の眠気は食事だけが原因とは限りません。
睡眠不足や生活リズム、食事をとる時間帯なども関係します。
例えば、夜更かしが続いて睡眠時間が足りていなければ、昼食後に眠気を感じるのは自然なことです。
また、毎日同じ時間帯に眠気が強くなる場合は、身体のリズムが関係している可能性もあります。
「炭水化物を抜けば解決する」と考えるのではなく、
・睡眠時間は足りている?
・昼食を食べすぎていない?
・主食だけの食事になっていない?
・野菜やたんぱく質は足りている?
・食後にずっと座りっぱなしになっていない?
こんな視点から、自分の生活を振り返ってみるのもおすすめです。
「抜く」より「選ぶ」「組み合わせる」
健康やダイエットのために食事を見直すとき、つい「これは食べない」「これは禁止」と考えてしまいがちです。
でも、食事は毎日のこと。
何かをずっと我慢し続けるよりも、自分の身体に必要なものを知り、上手に選んで食べることのほうが、長く続けやすいのではないでしょうか。
炭水化物も同じです。
「食べると眠くなるから抜く」のではなく、
適量を食べる。
野菜やたんぱく質と組み合わせる。
食べる順番を工夫する。
食後に少し身体を動かす。
こうした小さな工夫を積み重ねることで、食後の過ごし方は変えられるかもしれません。
そして、日頃から運動習慣をつくっておくことも、健康的な身体を維持するための大切なポイントです。
「食べない」ことで眠気を避けるのではなく、「食べ方を工夫して、食べた後も元気に動ける身体」を目指してみませんか?
今日のお昼から、まずは「炭水化物を抜く」のではなく、「主食・主菜・副菜をそろえる」ことを意識してみましょう。
食事も運動も、無理なく続けられることが一番です。
自分に合った食べ方・動き方を見つけながら、毎日の健康づくりを楽しんでいきましょう!
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