痩せたあとこそ大切。食事と運動で体を維持するという考え方
痩せたら、それで終わりではない
― 運動を「やめない」ことが、リバウンドを防ぐいちばんの近道 ―
「食事を見直したら体重が落ちた」
「前より食べる量を減らしたら、数字が動いた」
こうした経験がある方は多いのではないでしょうか。
食事を整えることは、体重を変えるうえでとても大きな力を持っています。
実際、短期間で結果が出やすいのも食事です。
だからこそ、体重が落ちたときに
「これで大丈夫そう」
「しばらくは運動しなくてもいいかも」
と感じてしまうことも、自然なことだと思います。
ただ、そのあとに思わぬ落とし穴が待っているケースも少なくありません。
実は多い「週2で運動していたのに、気づいたらゼロ」
栄養指導をしていてよく耳にするのが、こんな声です。
「前は週に2回くらい運動していたんです」
「ジムにも通っていました」
「でも、仕事が忙しくなって一度休んだら、そのまま行かなくなって…」
最初から運動習慣がなかったわけではありません。
むしろ、ある程度は動けていたという方が多いのです。
ところが、
・忙しさ
・体重が落ちた安心感
・寒さや疲れ
といったきっかけが重なり、気づけば運動がゼロになってしまう。
本人にとっては「少し休んだだけ」のつもりでも、
その「少し」が積み重なることで、体は確実に変化していきます。
食事で痩せたあと、体の中では何が起きているのか

食事量を減らすことで体重が落ちると、「脂肪が減った」と思いがちです。
もちろん脂肪も減りますが、運動量が減った状態では、筋肉も同時に減りやすくなります。
筋肉は、体を動かすためだけのものではありません。
呼吸をする、姿勢を保つ、内臓を支えるなど、日常生活のあらゆる場面で使われています。
そしてもう一つ重要なのが、筋肉はエネルギーを消費する組織だということです。
運動をやめ、筋肉量が少しずつ減っていくと、
・基礎代謝が下がる
・同じ食事量でも太りやすくなる
・疲れやすくなる
といった変化が起こりやすくなります。
リバウンドの正体は「油断」ではなく「悪循環」
体重が戻り始めたとき、
「油断してしまった」
「もっと気合を入れなきゃ」
と感じる方も多いかもしれません。
でも実際には、次のような流れに入っているケースがとても多いのです。
食事を減らして体重が落ちる
運動をしなくなり、筋肉量が減る
代謝が下がり、体が省エネモードになる
以前と同じ食事量でも体重が増えやすくなる
「もっと食事を減らそう」と考える
この状態でさらに食事量を減らすと、
体はますますエネルギーを使わなくなり、痩せにくくなっていきます。
これは意志の問題ではなく、体の仕組みとして起こりやすい反応です。
「痩せよう!」と気合が入る瞬間があるのは、悪いことじゃない
「よし、痩せよう」
「今度こそ頑張ろう」
こうした気合が入るタイミングがあること自体は、決して悪いことではありません。
むしろ、行動を変えるきっかけとして、とても大切です。
ただ、ここで一つ知っておいてほしいのは、
ダイエットは「痩せたら終わり」ではないということです。
体重が落ちた瞬間は、あくまで通過点。
本当に大切なのは、その体重や体調をどう維持していくかです。
ダイエットは「続け方」を考えるところからが本番
短期間で結果を出す方法は、世の中にたくさんあります。
食事量を減らす、糖質を控える、我慢する。
確かに、体重は動きやすいかもしれません。
でも、その方法を
・半年
・1年
・それ以上
続けられるかどうかは、別の話です。
だからこそ大切なのは、
「頑張れる方法」ではなく、**「続けられる方法」**を探すことです。
運動は「たくさん」より「やめない」
ここで強調したいのは、
運動は「たくさんやること」よりも、**「やめないこと」**のほうが大切だという点です。
週2回運動できていた方が、ゼロになってしまう。
これは珍しいことではありません。
だからこそ、
・ジムに行けない日
・忙しい時期
・気分が乗らない日
そういう日でも「これならできる」という選択肢を持っておくことが重要になります。
ジムに行けなくてもできる運動の例

歩くことを「運動」として意識する
通勤や買い物など、日常の中で歩く場面は必ずあります。
そのときに、
・歩幅を少し大きくする
・背筋を伸ばす
・少しテンポを上げる
これだけでも、下半身の筋肉はしっかり使われます。
10分を数回に分けるだけでも意味があります。
家でできる「最低限の筋肉維持」
特別な道具は必要ありません。
・椅子からゆっくり立ち上がる、ゆっくり座る
・スクワットを数回だけ行う
・かかとの上げ下げをする
「毎日やらなきゃ」と思わなくて大丈夫です。
できる日に、できる回数で構いません。
ストレッチ+少し動く
ストレッチだけでも体を動かすきっかけになります。
そこに、
・軽い体操
・ラジオ体操
・動画を見ながらの簡単なヨガ
を組み合わせることで、「完全に何もしない日」を減らすことができます。
食事と運動は、役割が違う
食事は、体重を落としたり、体調を整えたりするための土台です。
運動は、その状態を維持するための支えです。
食事だけで頑張り続けると、どこかで無理が出ます。
運動だけで痩せようとするのも、効率的とは言えません。
食事で整え、運動で支える
この考え方が、リバウンドを防ぎ、長く続けられる体づくりにつながります。
痩せたあとこそ、生活に合った運動を
体重が落ちたときこそ、
「この先どう続けるか」を考えるタイミングです。
・週2回ジムに行けないなら、家で動く
・忙しい時期は、歩く量を増やす
・完璧を目指さず、やめない工夫をする
運動は、生活に合わせて形を変えていいものです。
ダイエットのゴールは「続けられる状態」
ダイエットは、体重が落ちたら終わりではありません。
むしろ、そこから先が本番です。
・食事を極端に減らさなくて済む
・体重が安定しやすい
・体調を崩しにくい
そのために、最低限の運動を「やめない」こと。
それが、遠回りに見えて、いちばん確実な近道になることもあります。
「できることを、できる形で、続ける」
その積み重ねが、リバウンドしにくい体をつくっていきます。
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スマートチェーン所属管理栄養士です。
オンラインお食事指導”ミナオス”を担当しています。
ダイエットにおいて食べてはいけないもの、絶対に食べないといけないものはありません。
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