最近なんだか調子が出ない人へ |40代からの体を支える食事と栄養の話
なんとなく不調が増える時期に、がんばりすぎない栄養の話
「前と同じ生活なのに、なんだか違う」と感じ始めたら
40代に入ってから、
- 「前と同じ生活をしているのに疲れやすい」
- 「体重が落ちにくくなった」
- 「寝てもすっきりしない」
と感じることはありませんか。
大きな病気があるわけではないけれど、調子がいい日が減ってきた。そんな感覚を抱える女性は少なくありません。
これらの変化の背景には、加齢そのものだけでなく、女性ホルモンの分泌量が大きく揺らぐ時期、いわゆる更年期が関係していることもあります。
更年期は「はっきりした症状」だけではない

更年期という言葉に対して、ほてりや発汗、イライラといった症状を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、実際には症状の出方は人それぞれで、「はっきりした症状はないけれど、なんとなく不調」という形で現れることも少なくありません。
だからこそ、自分でも気づかないうちに無理を重ねてしまい、気づいたときには心身ともに疲れ切っている、というケースもよく見られます。
これまで通りが通じなくなるのは、体の変化のサイン
こうした時期の体調管理で大切なのは、これまでと同じやり方を無理に続けようとしないことです。
特に食事については、「痩せるため」「太らないため」という視点だけで考えてしまうと、かえって体調を崩しやすくなります。
40代以降の食事は、体重をコントロールするためだけのものではなく、体を支え、日々のコンディションを安定させるための土台として考えることが重要です。
「痩せるための食事」から「体を支える食事」へ
若い頃と同じように食事量を減らせば体重が落ちる、という感覚が通用しなくなってくるのも、この時期の特徴の一つです。
食事量を減らしても体重が思うように落ちない、それどころか疲れやすさや冷え、気分の落ち込みが強くなる。
そんな経験がある方もいるのではないでしょうか。
食事量を減らしているのに、つらくなる理由
これは意志の弱さや努力不足ではなく、体の仕組みが変わってきているサインでもあります。
女性ホルモンは、骨や筋肉、血管、皮膚、さらには自律神経の働きにも関わっています。
その分泌量が揺らぐことで、体はさまざまな影響を受けやすくなります。
女性ホルモンの変化と、体調のゆらぎ
その状態で、必要な栄養まで削るような食事を続けてしまうと、体はさらにバランスを崩しやすくなります。
40代以降の体調管理において、まず意識したいのは「減らす食事」から「支える食事」へ考え方を切り替えることです。
40代以降に大切なのは「減らす」より「支える」
支える食事とは、体を動かし、回復させ、安定させるために必要な栄養をきちんと入れる食事のことを指します。
特に意識したいのが、たんぱく質、ビタミン、ミネラルといった、体の材料や調整役となる栄養素です。
更年期世代が不足しやすい栄養とは

更年期世代の女性は、忙しさや食欲の変化から、知らず知らずのうちにたんぱく質が不足しやすくなります。
子供のための食事は作るけれど、自分は余りもので済ませるという方もいるのではないでしょうか。
たんぱく質は筋肉だけでなく、ホルモンや酵素、免疫細胞の材料にもなります。
これが不足すると、筋力の低下だけでなく、疲れやすさや回復力の低下、気分の不安定さとして現れることもあります。
たんぱく質は「筋肉のため」だけじゃない
食事量を抑えているつもりでも、たんぱく質まで減ってしまっていないか、一度立ち止まって振り返ることが大切です。
朝ごはんはバターを塗った食パン1枚、昼は梅干しを入れたおにぎり、夜は簡単にパスタで済ませる。なんて食事になっている方は要注意です。
1日に必要なタンパク質量の半分も満たせていないかもしれませんよ。
野菜を食べている「つもり」になっていませんか
また、野菜を食べているつもりでも、量や種類が偏っているケースも多く見られます。
ビタミンやミネラルは、食べたエネルギーをうまく使うための潤滑油のような役割を担っています。
これらが不足すると、同じ食事をしていても疲れやすかったり、体が重く感じたりすることがあります。
特に更年期の時期は、自律神経のバランスが乱れやすいため、栄養の不足が体調に直結しやすくなります。
完璧を目指さないほうが、体は整いやすい
ここで大切なのは、完璧な食事を目指さないことです。
毎日理想的な栄養バランスを整えようとすると、それ自体がストレスになります。
40代以降の体調管理では、「できる範囲で、続けられる形」を見つけることが何より重要です。
食事は「頑張るもの」ではなく「生活を支えるもの」
たとえば、毎食完璧を目指すのではなく、「一日の中で一度はしっかりたんぱく質をとる」「野菜を温かい料理で増やす」といった、小さな工夫でも十分意味があります。
また、食事と合わせて意識したいのが、生活全体とのバランスです。
更年期は、これからの体と向き合うタイミング

更年期の体は、睡眠不足や過度なストレスの影響も受けやすくなります。
食事だけを頑張ろうとしても、生活リズムが乱れていると、体調は安定しにくくなります。
だからこそ、食事は「頑張る対象」ではなく、「生活を支える味方」として捉えることが大切です。
痩せるより、「今日を楽に過ごせるか」を基準に
痩せることだけを目的にした食事ではなく、体調の波を小さくし、毎日を少し楽にするための食事。
そう考えると、選ぶものや量の考え方も自然と変わってきます。
40代からの体調管理において、食事でできることは決して特別なことではありません。
食事は、これからの自分を支える土台
流行の方法を取り入れる必要も、極端な制限をする必要もありません。
今の自分の体調に目を向け、無理をしていないか、必要な栄養が足りているかを確認すること。それだけでも、体は少しずつ応えてくれます。
更年期は、これまでの生活を見直すきっかけの時期でもあります。「前と同じようにできない」と感じることは、決して悪いことではありません。
体が変わってきているからこそ、付き合い方を変えるタイミングが来ているというサインでもあります。
食事を通して体をいたわり、支えていくことは、これから先の健康を守る大切な土台になります。
痩せることだけに目を向けるのではなく、「今日を少し楽に過ごせるか」「明日も動けそうか」という視点で食事を選んでみてください。
その積み重ねが、40代以降の健康を静かに、でも確実に支えていきます。
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スマートチェーン所属管理栄養士です。
オンラインお食事指導”ミナオス”を担当しています。
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