ダイエット中の鉄不足に注意!|管理栄養士マチコ先生のスマートコラム

ダイエット中に不足しやすい鉄の働き
日々、ダイエット指導を行っていると、特に気になるのが「鉄不足」です。
ダイエット中は、脂質の少ない鶏肉や大豆製品を主なタンパク質源として選びがち。その結果、鉄の摂取量が不足しやすくなるのです。
鉄は、酸素を全身に運ぶ赤血球中の「ヘモグロビン」を構成する重要なミネラル。また、糖質・脂質・たんぱく質といった三大栄養素の代謝にも必要不可欠で、筋肉への酸素供給やエネルギー生成にも深く関わっています。
私たちは酸素と栄養素を使ってエネルギーを作らなければ生きてはいけません。鉄が不足すると、肝臓・脾臓・骨髄に貯蔵された鉄が補給源となりますが、それにも限界があります。
鉄の欠乏症は…
- 鉄欠乏性貧血
- 疲労感・倦怠感
- 頭痛・冷え・動悸・息切れ
- 食欲不振 など
吸収がいい鉄とは?
鉄が多い食品として、ホウレン草を真っ先に思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、植物性食品に含まれる「非ヘム鉄」は吸収率があまり高くありません。
一方、牛肉・豚肉・ラム肉などの赤身肉や、カツオ・イワシ・ブリなどの赤身魚に多く含まれる動物性食品の「ヘム鉄」は吸収率が高いのが特徴です。
鶏肉や大豆製品ばかり摂っていると、鉄が不足しやすいのも納得ですよね。ちなみに卵や乳製品に含まれる鉄は吸収率が低い「非ヘム鉄」の方です。
非ヘム鉄であっても、ビタミンCの多い食品(ピーマンやトマトなど)や肉や魚など動物性たんぱく質と一緒に摂ることで吸収率を高めることができます。
たとえば、「ホウレン草のツナ和え」や「卵とピーマンの炒め物」などがおすすめです。
鉄を上手に取る方法
鉄は「朝」に摂ると吸収されやすいといわれています。
私自身、遺伝的に貯蔵鉄(フェリチン)が少ないため、毎朝、卵と一緒にトマトやレタスなどのビタミンCを含む野菜を摂取しています。おかげで、最近では貧血で検査に引っかかることはなくなりました。(もちろん昼食や夕食に時々、赤身肉や赤身魚も補給した上で)
さらに、鉄の吸収には「銅」も重要です。銅は鉄をヘモグロビンに取り込む手助けをするため、不足すると鉄欠乏性貧血のリスクが高まることも。銅は大豆製品やピュアココアなどに多く含まれています。
紅茶などに多い「タンニン」は鉄の吸収を妨げてしまいます。特に朝、紅茶を飲む習慣がある人は、午後以降に飲むよう時間帯を工夫するとよいでしょう。
ダイエット中でも鶏肉ばかりでなく、時には赤身肉や赤身魚を取り入れることが大切です。鉄は体調管理の基本。日々の食事で意識していきましょう!

【 プロフィール】
- お食事のカウンセリングサロン「colan」代表
- 管理栄養士・料理家・コラムニスト
【 経歴 】
- 北海道北見市出身
- 天使女子短期大学(現 天使大学) 食物栄養学科 卒業
- 食事指導の企業で食事相談業務を行う
- 雑誌の編集者として取材、文筆業を行う
- 大手料理教室の料理講師として和洋中全般、美容に関する料理を教える
- 高齢者施設では栄養科長/管理栄養士として多くの実績を積む
- 現在はフリーランスの管理栄養士として活動中
- 2020年よりオンライン食事カウセリングを開始
- 2021年よりスマートチェーンでのオンライン食事指導を開始
