【管理栄養士監修】1日に必要な食物繊維の約1/3が摂れる〈イワシ缶と蒟蒻のもち麦混ぜご飯〉

年齢を重ねるごとに、体調の変化や美容、健康で気になることはありますか?
健康寿命の延伸とQOL(生活の質)の向上を目指す上で、今、最も注目すべき栄養素の一つが【食物繊維】です。
2025年に新たに改訂された、厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準(2025年版)」においても、その重要性は改めて強調されており、私たちが日々の食生活で積極的に摂り入れるべき理由が明確に示されています。
今回は、一品で1食に必要な食物繊維量がほぼ摂れる、【混ぜご飯レシピ】のご紹介です♪
〈イワシ缶と蒟蒻のもち麦混ぜご飯〉
材料(4人前)
- 米 …1合
- もち麦 …0.5合
- いわし味付缶 …1缶
- 板こんにゃく …1パック
- *レンコン …50g
- *にんじん …1/3本
- *舞茸 …1/2パック
- *乾燥きくらげ …10g
- *生姜 …2かけ
- ♦料理酒 …大さじ1杯
- ♦醤油 …大さじ1杯
- ♦砂糖 …小さじ1杯
- かつお節 …小分け1パック程度
- 小口葱 …適量
- 大葉 …1束(10枚)
- 白いりごま …適量
作り方
- 米、もち麦を分量よりやや多めの水分量で炊飯しておく。
- 蒟蒻は0.5~1cm程度の角切りにしてアクを抜く。レンコンは小さめのいちょう切り、人参、生姜は千切りにする。舞茸は小さめに手でほぐす。戻したきくらげは2cm程度の長さの細切りにする。大葉は千切りにし水にさらす。
- フライパンで油をひかずに蒟蒻を乾煎りする。
- 蒟蒻が「キュッ」と音がしてきたら、イワシの缶詰を汁ごと入れる。
- *の野菜、♦調味料を加え、水気が無くなるまで煮る。
- ①のご飯に⑤の具材、鰹節、葱、大葉を混ぜる。(葱と大葉は上に飾る分を取り置いておく)
- 器によそい、取り置いておいた葱、大葉をのせ、ゴマをふる。
栄養価(1人前)
- エネルギー :299kcal
- タンパク質 :10.9g
- 脂質 :4.0g
- 糖質 :58.6g
- 食物繊維 :7.5g
- 食塩相当量 :0.7g
調理のワンポイントMEMO
●炊きあがりのご飯の量と具材の量は1:1くらい、かなり具沢山になります!
今日は多めにお茶碗によそっちゃいましょう🤣
●炊飯器の大きさによっては大きめのボールに移した方が、作業がしやすいです。
●もち麦が食物繊維量アップのポイントですが、普通の白ご飯でもレシピとしては勿論OK!
今回のレシピではもち麦は少し多めの割合ですが、もち麦初心者の方も混ぜご飯にすることで、食べやすくなります。
お米ともち麦の割合はお好みによってでOKです。
●もち麦は白米よりもやや吸水率が高いため、やや多めの水加減で炊飯しましょう。
●蒟蒻、きくらげも食物繊維量アップのレシピのポイントですが、他にもひじき、ご自宅にあるお野菜などの具材はご自由にアレンジしてください♪
レシピの栄養ポイント
食物繊維の健康効果
食物繊維の代表的な働きには
- 腸内細菌のバランスを整え腸内環境を良好に保つ
- 便のカサを増やして、便秘を解決する
これは結果的に
- 美肌
- メンタルの安定
などにも繋がってきます。
また、
- 満腹感を得やすく、食べ過ぎを防ぐ
- 腸内環境が整うことで、食欲ホルモンが整い、無駄な食欲減る
- 血糖値の上昇を抑制
- 脂肪の吸収を抑える
- LDL(悪玉)コレステロール値の低下
などの肥満の予防、ダイエット効果にも期待できます。
しいては
- 2型糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病の発症予防
- 動脈硬化を防ぎ、心血管疾患、脳卒中などの疾患リスク低減
- 大腸がんなどの一部のがんリスクを低減
など、疾患のリスクや総死亡率の低減にも関わり、【健康寿命】に直結します。
厚生労働省から出される『日本人の食事摂取基準』において、
日本人の平均的な摂取量も考慮した上で、成人の現実的な摂取目標量は「男性22g」「女性18g」(年代による)と定められていますが、
「少なくとも1日当たり25~29gの食物繊維の摂取が、様々な生活習慣病のリスク低下に寄与すると報告されている」と明記されています。
これは2025年の改定で前回の策定よりも1g引き上げられており、食物繊維が健康維持のために特に重要となものと位置付けられていることを表しています。
1食当たり「男性は7g以上」「女性は6g以上」。可能なら「8g以上」の食物繊維の摂取を目指しましょう!
しかし、同じく厚生労働省から出される『国民健康栄養調査(令和元年)』によると、ほとんどの人が本来摂りたい量の食物繊維が摂れておらず、特に若い世代で不足が顕著です。
目標量を摂るためには、意識的な選択が重要です。
食物繊維を目標量摂るコツ
●主食の工夫
白米を玄米やもち麦ご飯、雑穀米に。
食パンを全粒粉パンに変えるなど、精製度の低い穀物を選ぶ。
オートミールもおすすめです。
主食は3食食べるものなので、他のおかずも勿論ですが主食から変えるのが実は一番確実で手軽。
今、ご自宅にもち麦が無い方も、今回のレシピをきっかけに一度是非お試しください😄
また、主食に含まれる糖質は一度冷えると「レジスタントスターチ」という食物繊維と類似した働きを持つようになるため、ご飯やお芋は一度冷やしてから召し上がるのも、食事の内容を変える前にできる工夫の一つです!(食べるときは温め直してもOK)
●野菜・きのこ・海藻の積極的な摂取
毎食、野菜はたっぷり。
サラダや和え物の他、汁物は具沢山に。メインのお料理にはキャベツの千切りや、グリル野菜、大根おろしなど必ず野菜の付け合わせをセットに。
食物繊維の摂取はコレステロールの排出を促進する働きがあります。お肉料理のときに特に意識したいですね。
意外と盲点なのが、「グリーンサラダだけでは不足がち」という点。
スーパーやコンビニに売られているような、レタスやキャベツを中心としたグリーンサラダやカット野菜では、食物繊維の含有量は1パック1.5g~3.0g程度。仮にレタス1玉(約300g)食べても食物繊維の含有量は3.3gと意外と少な目。
「サラダはよく食べるから大丈夫!」と思われている方も、実は食物繊維不足である場合があります。
根菜や、煮物やお浸し、汁物など火を通した野菜も組み合わせることが、食物繊維の量を確保するコツになります。
●きのこ・海藻・芋の摂取
野菜に限らず、きのこ類や海藻類、こんにゃく、芋類も食物繊維が豊富。
おかずだけでなく、ご飯に昆布や豆を混ぜ込んだり、パスタやお蕎麦の具に野菜や、きのこ、海藻を入れるなど、主食に混ぜる工夫もおすすめです。
間食するなら蒸かし芋、干し芋、甘納豆、酢昆布などを取り入れるのも食物繊維の摂取に◎。
切干大根、干ししいたけ、きくらげ、乾燥ワカメなどの乾物の活用もおすすめです!
●豆類・種実類の活用
納豆、おから、蒸し大豆など。
サラダや汁物、ご飯に豆類を加えたり、ヨーグルトやサラダにきな粉、ナッツやシードをトッピングしたりするのも良い方法です。
●果物の摂取
適度な量の果物も食物繊維の良い供給源です。ただし、糖分も含まれるため、摂りすぎには注意!
●補助食品の活用
ドラックストアに売られているパウダータイプの補助食品や、サプリメントを活用するのも一つの手です。
ただし、それらの場合は一度で簡単に多量の食物繊維を摂れてしまうため、過剰摂取やかえってお腹の調子を悪化させてしまうなどの悪影響が出る可能性があります。
まずは食事を中心に。そしてご自身がどのくらい摂れているのかを把握した上で、必要に合わせた選択肢の一つとして活用しましょう。
また、食物繊維には「水溶性」「不溶性」さらにはその中にも様々な種類があり、それぞれ特性や働きが異なります。
食物繊維を餌にして育つ腸内細菌も“多様性”が大切。
食物繊維一つとっても、特定の食材に偏らずに様々な食材を取り入れることが重要です。
まとめ
今回のレシピでは1食分7.5gと、成人1日の食物繊維 摂取目標量の約1/3を摂ることができます!
- 食事を整えることは【=我慢】ではない
- 工夫しだいで【食事の楽しみ】も【健康】も両立できる
今回のレシピもあなたのお役に立つことができれば嬉しいです💛是非お試しくださいね♪

スマートチェーン所属管理栄養士の加藤です。
特定保健指導、リハビリ特化型デイサービススマートライフrehaの栄養管理を担当をしています。
"食"はとても身近なもので、たくさんの情報を簡単に手に入れられます。
ですが、それらの情報から『自分にとって合っており、正しいものなのか?』を自分一人で判断することは意外と難しいことです。
私たちと一緒に、身体が喜ぶ食事方法を探って学んでみませんか?✨
