さつま芋はダイエットの味方になるか?|管理栄養士マチコ先生のスマートコラム
炭水化物としてのさつま芋に注目!
秋の味覚の一つがさつま芋。
ほんのり甘くホクホクとした食感で、芋類の中でも人気が高いですよね。
ここ数年、トレーニーの間で減量期の炭水化物としてさつま芋を取り入れる人が目立ってきました。
炭水化物は筋肉の大事なエネルギー源です。不足すると筋肉のたんぱく質が分解されてエネルギー源として使われ、筋肉量が減少したり、筋力が落ちたりします。
もちろん炭水化物はとり過ぎると余分な糖は脂肪として蓄えられ、肥満の原因になるため選び方が重要。
そこでさつま芋の出番です。さつま芋は主食ではなく野菜類や根菜類に入るのでは?と思った人もいるでしょう。芋類は米や小麦など穀類と同様に主成分が多糖類のでんぷん。そのため日本食品成分表では野菜類などに入れず、「いも及びでん粉類」として分けて掲載されています。
私たち栄養の専門家は、でんぷんの多い芋類は炭水化物の仲間として捉え、指導をすることが多いです。
GI値が低いサツマイモ
トレーニーになぜさつま芋が人気かというと、米や小麦、麺類、じゃが芋など他の炭水化物に比べてGI値が低いから。
GI値(グリセミック・インデックス)は食品の血糖値の上昇度合いを表した値です。GI値が高いほど血糖値を急激に上げ、GI値が低いほど血糖値の上昇は緩やか。GI値が高ければ高いほど脂肪が溜まりやすいと言うことになります。
炭水化物のGI値を見てみると米は84、もち85、食パン91、コーンフレーク75、うどん80、中華めん71、じゃが芋90、山芋75、芋類ではないですが人参は80もあります。
そしてさつま芋のGI値は55。炭水化物の中でもGI値が低いことが分かりますよね。
腸活に働き、抗酸化作用を持つ栄養素がたっぷり!
さつま芋は、炭水化物の中でも含まれている栄養素がとても多いです。食物繊維や抗酸化作用が高いβ-カロテン・ビタミンC・ビタミンE・ポリフェノールのアントシアニン(皮の部分)、むくみを予防するカリウム、たんぱく質の代謝を助けるビタミンB6など。
また切り口から出る乳白色の液体は「ヤラピン」という成分で、便通を促す作用があります。食物繊維を含め腸内環境を改善してくれる栄養素や成分が豊富なところもトレーニーに選ばれている理由。
最近はスーパーなどでいろいろな種類のさつま芋の焼き芋が売られていますよね。昼食などにパンやおにぎり、麺類だけで済ますなら、焼き芋を利用するのもひとつ手段です。菓子パンなどに含まれている栄養素のほとんどが炭水化物の糖質。GI値が高くなります。
さつま芋のメリットを知って、炭水化物の選択肢に入れみてはいかがでしょう。
ただし、安心してさつま芋をたくさん食べていたら糖質が多いので体重増加につながります。
またご飯とさつま芋のおかずを一緒に食べると“ダブル炭水化物”になるので、どちらかは控えましょうね。
【 プロフィール】
- お食事のカウンセリングサロン「colan」代表
- 管理栄養士・料理家・コラムニスト
【 経歴 】
- 北海道北見市出身
- 天使女子短期大学(現 天使大学) 食物栄養学科 卒業
- 食事指導の企業で食事相談業務を行う
- 雑誌の編集者として取材、文筆業を行う
- 大手料理教室の料理講師として和洋中全般、美容に関する料理を教える
- 高齢者施設では栄養科長/管理栄養士として多くの実績を積む
- 現在はフリーランスの管理栄養士として活動中
- 2020年よりオンライン食事カウセリングを開始
- 2021年よりスマートチェーンでのオンライン食事指導を開始